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7月29日

セレモ プロフェッショナルに訊くvol.3 「女性ならではの心配りで活躍する葬祭ディレクター」

ハートtoハート vol.112(2019年春夏号)
セレモ プロフェッショナルに訊く

 

今回のプロフェッショナル
株式会社セレモ 施行本部

1級葬祭ディレクター 酒井順子さん
1級葬祭ディレクター 小嶌久美さん
1級葬祭ディレクター 宮崎昌代さん
1級葬祭ディレクター 橋本寿美子さん
セレモには葬祭ディレクターが71名(2018年12月現在)在籍しています。

 
 

葬祭ディレクターとは、葬祭のコーディネートをするプロフェッショナルとして、技能審査制度(厚生労働省認定)に合格した者だけに与えられる資格です。いわば、葬祭業界に働く人に必要な知識と、葬祭の打ち合わせから会場設営、そして式典の運営などに関する技能のレベルが高いことを示す称号でもあります。セレモでは、女性の資格取得者も多く、ご遺族に寄り添い、きめ細やかなサービスと気配りができるよう心がけております。そうした現場で活躍する、1級葬祭ディレクターのみなさんにお集まりいただきました。

 
 

葬祭ディレクターの仕事について教えてください。

 

酒井 葬儀会社によって葬祭ディレクターの捉え方は異なると思いますが、セレモでは葬祭ディレクターだからこの仕事、そうではないからこの仕事という差はありません。例えば一つのお葬式には2~3人のスタッフがつきます。大きな式では5~6人。それぞれの式には担当者がいて、運営の支持を出すのですが、葬祭ディレクターが担当者になることもあれば、補佐につくこともあります。補佐の場合は担当者の指示で動くことになります。

 

宮崎 そうですね、葬祭ディレクターになったからといっても、日々の仕事の内容は変わらないんです。お客様に満足いただくために、仕事の質をより高めるための資格と言えばいいでしょうか。ですからよくお客様から「何でもやるのね」と言われます。お葬式の施行だけでなく、お客様の喪服の着付けもしますし、司会もします。入口に立ってお客様のご案内をすることもありますし、もちろん毎日のホール掃除もやります。

 

橋本 私たちは毎日お葬式に関わっていますが、お客様にとってはそれぞれ異なる唯一のことなので、同じ仕事と思わずに常にお客様の身になって対応することが大切だと思っています。葬祭ディレクターはこれまでの経験を活かして、よりお客様の気持ちに沿って仕事をすることを期待されているのだと思います。後輩の女性たちにも資格取得の機会があったら、積極的にチャレンジしてほしいと思っています。そのためのバックアップは一生懸命するつもりです。それはここにいる者全員が思っていることでもあります。セレモのスタッフ全員が葬祭ディレクターの資格を持つことができたら最高ですよね。

 

資格を取るために苦労されたことはありますか?

 

小嶌 2級は実務経験3年以上、1級は5年以上必要になります。試験は学科試験と実技試験があり、専門知識はもとより、遺族心理宗教などの知識まで必要とされます。お客様からの多様な質問に応答できるかを問う説明実演や、葬儀の司会能力、マナーなどのテストもあり、なかでも幕張りの実技試験が一番大変でした。学科と実技両方を満たさないと合格できないので必死でした。

 

酒井 幕張りというのは、式用のテーブルの周りを白い布で装飾する作業のことで、自宅で葬儀を行う場合には必要な実技になります。大変なのが側面にひだをつけながら画鋲で留めていく作業。男性は力があるので画鋲を打つのも問題ないと思いますが、女性はかなり苦労します。私は毎日練習して、腱鞘炎になるくらいでした。

 

小嶌 私も試験に合格した後も2年間くらい指が麻痺していました。朝早めに行って、ひと仕事終えてから練習し、終業後も皆が返ってから納得できるまで、夜な夜なやりました。

 

宮崎 私は会社からテーブルを借りて家に持ち帰って毎日練習しました。女性は両手を広げたときの長さが短いので、8mもある長い幕を扱いが大変なのです。ひだも何センチの中に何センチの幅で作るとか、後ろもぴったりと真ん中で揃えるなど決まりがあり、時間の制限もあるので、どんな状況でも失敗しないように体で覚えるしかありませんでした。

 

葬儀の仕事を始めたきっかけはどのようなものでしたか?

 

橋本 子どもの時に祖母が病気で亡くなり、葬儀屋さんがすごく丁寧に扱ってくれ、なんで他人がここまでしてくれるのだろうかと疑問でした。大人になってたまたま新しくオーオウンするセレモのホールの看板を見たときに、長年の疑問を解決するために中に入って仕事をしてみようと応募したのです。疑問は入社してすぐに解けました。それは大事な方を失った人の寂しさやつらさと向き合う仕事だからこそ、自然に生まれてくることなのだと、すぐに感じ取れました。

 

宮崎 私は逆に、父を送ったときに、その葬儀社の人の対応にがっかりしたことが元になっています。自分が何か仕事がしたいなと思った時に、長く続けられる仕事を考え、お葬式は自分が歳を重ねても十分務められるのではと思ったのです。その時にそういえば父の葬儀の時に腹が立ったことを思い出したんです。そういう人にはなりたくないなと。

 

葬祭ディレクターになってよかったことはありますか?

 

橋本 お客様の安心感が以前よりあるように感じます。名刺を差し出して自己紹介をさせていただく時に、「女性で大丈夫かしら」と思われるかもしれないところを、肩書があることで、「お葬式のことを分かっている専門の方が手伝ってくれるのね」と思ってくださるようです。

 

小嶌 私の場合は達成感ですね。難しいと思われた目標に向かって、毎日毎日努力を続けられたことは、自分にとって大きな自信にもなりました。国全体としても職業生活における女性の活躍の機会を広げる法律が施行されていますが、葬祭ディレクターの資格を取得しセレモの中で活躍できる場を得られたことは、とても良かったと思っています。

 

宮崎 実はこの仕事を始めた頃、娘は小学生で葬儀の仕事を良しと思っていませんでした。あるとき菩提寺の住職に相談すると、「葬儀とは、亡くなった方のための仕事ではなくて、大切な人を失った家族のための仕事だと伝えてあげなさい」と言われたんです。娘がお嫁に行く時にこの話をすると、娘は「ごめんなさい」と大泣きし、「そんなお母さんに育てられて、私はよかった」と言ってくれました。葬儀ディレクターの資格を取るほどまで、この仕事でスキルアップしてきた甲斐がありました。

 

酒井 私たちはお客様に寄り添って、お客様が思っていることを提供していけるように、葬祭ディレクターになってからも日々精進が必要です。葬儀にはゴールがないので、人間思いのスタッフが増えてくれるといいなと思っています。

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