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10月14日

セレモ プロフェッショナルに訊くvol.4 「最後まで頑張った人をきれいな姿で天国へ」

ハートtoハート vol.111(2018年夏秋号)
セレモ プロフェッショナルに訊く

 

今回のプロフェッショナル
ハートケアメイク

所長 林 啓吾 氏

 
 

映画『おくりびと』で納棺師という仕事がクローズアップされたのは今から10年前のことです。お葬式では欠かすことのできない大事な仕事ですが、時代とともにその内容も変化し、より故人の気持ちに沿い、残された家族の思いを反映するものとなっています。セレモでは、そうした個人のやすらかな旅立ちのための儀式を「美粧式(びしょうしき)」と呼んで、心を込めてお手伝いしています。

 
 

ハートケアメイクの仕事について教えてください。

 

お亡くなりになられた方をお棺に納めるまでの仕事です。まず、お顔剃りと先発、爪切りをし、そして全身を洗い清め、垢擦りとオイルマッサージにて、たっぷりと保湿をさせていただきます。この流れが基本手順でございます。お風呂に入ると聞きますと、特にお肌の露出に関しましてご心配される方が多いのですが、故人のプライバシーと尊厳を守るために、お体の上に大きなバスタオルをお掛けし、お肌の露出を最小限に抑えてご洗体いたしますのでご安心ください。

 

その後に、お着替えとお体のご処置、化粧、整髪、ご納棺という運びになっております。

 

私共が目指しているのは、故人がいつも通り寝ているようなお姿にすることです。もう話しかけてくれはくれませんし、起き上がってくることもないのですが、せめて、見た目の命を吹き込みたい、そう思って日々仕事をしています。

 
 

スタッフは何名くらいで対応しているのでしょうか?

 

現在は15名で行っています。男女半々の割合ですね。現場には男女ペアで行くようにしています。

 
 

美粧式とはこれまでとは違う新しいスタイルなのでしょうか?

 

昔からある湯灌の儀、納棺の儀を大事に残しつつ、現代の良い物を取り入れた儀式が美粧式でございます。この美粧式は大きく分けますと二通りあります。ご家族のご要望を一つ一つ確認しながら進めていく参加型のコースと、全て美粧スタッフにお任せするコースがございます。ご家族参加型で立ち会われる場合は、お体を洗ったり、メイクをしたり、その場でご要望をお聞きして、ご家族と故人の時間を大切にし、ご納棺までをお手伝いさせていただいております。

 

美粧スタッフに全てお任せの場合ですと、通夜・お葬式の当日までには身支度を整えご納棺まで済ませておりますので安心してご対面ができます。

 

また、闘病生活が長く、お元気だった頃はお洒落で髪の毛を染めていた方、生え際の白髪が目立ってしまった方などには毛染めをお薦めしております。ただ、あくまでも白髪染めですので、黒色や茶系の色での対応となります。白髪が染まることで、さらに見た目も若々しくなり、とても喜ばれています。他にもお顔が痩せられてしまった方や事故でお亡くなりになられた方、お葬式までのお日にちが延びてしまうケースなどに対応できるように、故人のお体を一番に考え適切なご処置が施せるように対応させていただいております。

 
 

美粧式はどこで行うものなのでしょうか?

 

ご自宅に伺わせていただく場合と、セレモの式場内にございます霊安施設や控室にて行う場合があります。ご自宅で行う場合は、湯灌に使用する浴槽や一式を積み込んだ湯灌者で伺います。駐車スペースと美粧式を行えるお部屋のスペース、この二点が揃っていれば、ご自宅でも行うことができます。

 

お部屋の中に浴槽を設置し、車に用意していてあるお湯を使用して行いますので、マンションや団地の3階くらいまでは対応することができます。それ以上の高さになりますと、お車から運ぶお湯の水圧が下がってしまいますので、そうした場合には、ご自宅のお風呂ホースを繋がせていただくこともあります。

 

いずれにしましても、事前にご相談して要望に沿った形で行っておりますのでご安心ください。

 
 

美粧式の中で、花湯灌が好評をいただいているそうですが。

 

花湯灌はセレモ独自のもので、逆さ水に花びらを浮かべたものをご用意し、お体の上に掛かっておりますバスタオルの上にも花びらを散らして湯灌を執り行うものです。これはお釈迦様が生誕の際に点から九頭の竜が甘茶の雨を降り注ぎ、産湯に使わせたという言い伝えに基づいています。甘茶を花びらに変えることで、見た目も美しく、温かみのある湯灌の儀式になっております。

 

ある時、花湯灌を見学していた小さなお孫さんが、『ばあばは、テレビを見て、いつかこんなお風呂に入ってみたいって言ってたから、最後に願いが叶って良かったね』と話しかけていたことがありました。

 
 

さらに進化したという新しい湯灌について教えてください。

 

次世代型と呼んでおります、「コクーン」という浴槽です。「コクーン」とは繭のことで、繭に包まれるような心地よい空間で湯灌をするというものです。

 

従来の湯灌は畳屋床の上で行うため、立ち会われる方は正座してご覧になることになりますが、「コクーン」では、立ち会われる方々が椅子に座ってちょうど良い高さに故人のお顔が見えるようになっています。高級ホテルのバスルームのようなインテリアとなっていますので、エステを見ているようなイメージで湯灌の儀式が進んでいきます。

 

日本人にとってお風呂は文化でもあります。生まれて産湯につかり、来世に旅立つ時も温かいお湯で洗い清める。

 

美粧式は、故人のお体にしてあげられる遺族からの最後のプレゼントだと思っています。「コクーン」はその気持ちを最大限に表したスタイルともいえます。この「コクーン」を設置している式場は京成佐倉ホール・大神宮下駅ホール・鎌ケ谷ホール・都賀駅ホールの4箇所になります。

 
 

この仕事をしていてよかったことはありますか?

 

故人の姿を見て、『きれいになって良かった』と思ってもらえることです。

 

美粧式は故人を出来る限り生前のお姿に戻して、お棺に納めることができます。

 

そうしたときは、とても喜んでくださいます。医療の進歩により、様々な治療を施すことで、故人のお体にもいろいろな変化が出てくるようになりました。それらに対応する技術も日々研鑽しております。私たちが大事にしていることは、不可能を可能にする努力です。

 

これからもスタッフ一同、故人が安らかなお顔で旅立たれるように、またご家族の方々には、安どの気持ちで故人を送れるようにお手伝いをしていきたいと思っております。

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